データで見る東京都内の治安状況
これから東京で初めて生活する人にとって気になるのは地域の治安です。
漠然としたイメージとして東京は「外国人が多い」「犯罪が多い」といった雰囲気がありますが、実は23区内でも犯罪件数は大きく異なっています。
平成27年の警視庁の犯罪発生状況の統計によると、最も犯罪件数が多いのは新宿区の7,940件であるのに対し23区最低の文京区では1,730件にとどまります。
東京都内の犯罪発生状況の把握で難しいのが、都内では昼と夜とで人口割合が大きく異なるということです。
例えば皇居や霞が関のある中央区や千代田区は昼には非常に多くの人がいる一方で、夜には働いていた人が一気に帰宅することで人口が大きく低下します。
そのため単純に人口や住宅あたりの密集割合を調べてもあまり参考にならず、どちらかというとどういった場所で犯罪がよく起こるかという個別のロケーションごとの判断が必要になってきます。
都内において比較的安全で住みやすいとされているのが「文京区」です。
文京区は名前からもわかるように都内でも有数の学園都市であり、東京大学や東洋大学、順天堂大学、日本医科歯科大学、お茶の水女子大学といった有名な大学が複数所在しています。
また付属校や有名な小中学校・幼稚園も多いことから都内に住んでいる人の中でも特に教育熱心な富裕層が居住地として選ぶという傾向があります。
進学をして文京区内の大学に通うという場合はもとより、ファミリー世帯として長く都内に腰を据えるときにもおすすめの地域と言えます。
文京区でも特に住宅地として人気のある場所として後楽園や護国寺、本駒込といったところが挙げられます。
都心回帰派vs下町情緒派
ここ最近持ち直しの傾向があるものの、かつては「億ション」と言われていたような地価高騰地域もかなり手が届きやすい価格にまで下落しました。
そのため駅周辺の賃貸住宅であっても選び方によっては入居できる物件が出てきたことにより、職場に近い都心部にあえて住もうという若い人が増えてきています。
いわゆる都心回帰派で、主な居住地としては中央区、千代田区、港区といったところがあります。
これらは非常に家賃相場が高いという一方で、夜間は人が少なくなることと、周辺に高所得者層が多いということから治安面では安心ができる環境にあります。
もう一方で都内でも下町の雰囲気を残す商店街を中心とした人気の街があります。
具体的には目黒区や江東区、杉並区や中野区といったところです。
これらはどちらかというと高層建造物が少なく駅から離れるにつれ住宅街が広がるという特徴があります。
地元に長く住んでいる人も多い場所なので、人情味あふれる生活が期待できます。