東京の人は冷たいのではなく人が多すぎて注意が向かないだけ
地方から東京に移住する時に心配されるのが「東京人は冷たい」ということです。
地方都市の中でも特に地元に長く住んでいる人が多い地域においては、生まれた瞬間から個人情報はほぼないに等しい環境で育ちます。
そうした場合自分のことを知っているのは自分の家族だけでなく近所の生活圏内全てということになりますので、何か事件が起こった時に助けてくれることもあります。
しかし東京では住民のほとんどが地方からの移住者や引っ越しをして「地元」という概念を持たない人となるため、地方都市にあるような「生まれたときから知っている」というような保護意識がなくなります。
地元で地域密着な生活をしてきた人にとってはそうした地域コミュニティを重視しない生活スタイルが「冷たい」と感じることもあるようで、近所に住んでいてもほとんど関心のない態度を取られたときに「やっぱり都会は違うな」という感想を持ったりします。
確かに東京のように人の多い場所においては、地方都市のように接する人が全て知り合いといった濃密なコミュニティを形成することはできません。
ですが都民全体が冷たいかというと、実際はそういうわけではなかったりします。
一対一の関係ではとても親切な人が、集団になっても同じように親切であるかというとそういうわけでもありません。
東京においては普段自分の身の回りに接する人の人数が多くなりすぎるため、個々人にまで配慮をすることが難しく、不特定多数のうちの一人に親切にすることがしづらくなっているのです。
東京では自分の主張をはっきりすることが大事
地方都市のように生まれたときから自分のことを知っている場合と異なり、東京ではそもそも知らない人同士が関わり合うということが前提となります。
例えば自分が家の近所を散策したときに通りかかった人に挨拶をしたとして、昔から自分の存在を知っていてくれる地方ならばすぐに挨拶を返してくれるでしょうが、全く知らない東京の人がすぐに同じように挨拶をしてくれるとは
限りません。
そもそも近所で挨拶をするという習慣がない地域においては、挨拶をされたときに「何か裏があるのでは?」と考えてしまうこともあるでしょう。
もし東京で同じようにご近所づきあいなどをしていきたいならば、相手に対し「こうしてくれるのが当然」という意識を捨て、自分から歩み寄っていく姿勢が大切になります。
東京の人は冷たいのではなく、基本的に周囲の人にいちいち関心を持っていないというだけなのです。
自分が言わなくても周囲が察してくれるのが「温かさ」と思っている人にとってはつらいでしょうが、自分の意見や要望をきちんと伝えることができれば東京は決して暮らしにくい場所ではありません。